キングコング型

ティッパタッパタパタパタ

M島区

先日、知人宅にお邪魔する機会がありました。

そういえば引っ越したという話を思い出して、 住所を聞いたら都島区だということでした。

 

都島区といえば、僕が中学生時代を過ごした土地で、

たかだか3年しかいませんでしたが、その時期の3年というのは、かなりの密度です。

160度ぐらい人格が変わったという自覚があります。

 

十数年ぶり来た都島駅から知人宅まで歩いてる間、

3年間分とは思えない量の記憶がフラッシュバックして、

そういえば、ここに住んでた時にスピッツを初めて聞いたんだなと思い出しました。

 

洋楽とラジオばっかり聴いてた時期でした。

絵に描いたように斜に構えた中二病だった僕が、

ラジオから曲が流れてきた時の景色を、

最も、というか唯一カラーで脳内再生できる曲が、

スピッツの「裸のままで」です。 

 


スピッツ / 裸のままで - YouTube

 

いやー、いつ聴いてもイイなあ!

そして何より「草野マサムネ」の歳とらなさ具合も甚だ恐ろしい。

あの人、いま45歳超えてるはずだけど、「裸のままで」の頃と見た目がほぼ変わってない。

 

なんでだ。

 

 

 

と、そんな事を考えながら適当に雰囲気で歩いていって、

確認したら友人宅とは160度真逆に行ってしまっていた、

2014年正月、とある日の15時でありました。

 

 

 

 

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 ASR RECORD STOREにて、新春キャンペーン開催中です。
ナードマグネット、root13.、The Calendar of Happy Days、
3組によるスプリットCD「penかapple」と、
ナードマグネットの対象商品か、The Calendar of Happy Daysの対象商品を
同時にご購入で特典が付きます。詳しくは下記画像からご確認ください。

新春キャンペーン開催中!

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
今年も一年よろしくお願いします。

いま思い返すと新幹線、
その次は各駅停車、
と思ったらいつの間にか特急に乗っていて、
少し経ったら下車させられて、
今また各駅停車に乗っている。
そんな感じの30年ちょいです。
こっから特急とか新幹線とかに乗り換えるかはわからんですが、
それはそれ。

どっちにしろ目的地に向かうわけですから。
最近、自分の負けず嫌いがかなり表に出てきてる気がするので、そういう一年になると思います。
頑張ってる人に負けたくないですよね。



年末に帰省して、
帰省っつっても電車で50分足らずですが。

実家はネコ優先のシステムがさらに進んでいました。
そのうち俺の部屋もなくなるんじゃないやろか。

おせち料理食べて、
マンガ読んで、
ネコと戯れて、
眠る。
これで終わりました。毎年同じ。
正月のたびに思いますが、ほんとに金魚屋古書店の地下みたいなところで暮らしたい。


Fireloopと自分の仕事始めは明日1月4日からです。

ASR RECORDS presents「◯◯and◯◯Duo」

筒井トシアキand井澤聖一Duo
浅野毅and毛利翔太郎Duo
たかぎしゆかand山岡永美Duo
寺前雅人andニシケケ夏ノコDuo
阿宅ユースケand岩井空海人Duo

前売1500円 当日2000円
開場18:00 開演18:30



しかし、ネコといると写真を撮りたくなりますね。
ネコ好きの人がよく写真をアップしている気持ちがすごくわかりました。
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左がコテツ、右がポン(妹が命名)。

年末のご挨拶

2013年、関わってくださった皆様、ありがとうございました。

すごく月並みな言葉ですが、そうとしか言いようがないですね、やっぱり。

今年はFireloopとしては、例年以上にたくさんの新しい才能に出会えた気がします。

以前から縁のある才能が、ひとつ扉を開いたなと感じることもたくさんありました。

スタジオの方も、10代の人の姿が明らかに増えています。



レーベルとしては、

2月にThe Calendar of Happy Daysのミニアルバム「Feelback-View」を、

11月にはナードマグネット、root13.、The Calendar of Happy Daysの3組によるスプリット「penかapple」をリリースできました。

Fireloop地下ロビーで展開している、ASR RECORD STOREの取り扱いアイテムも増え、

オンラインストアでの通販もスタートできました。




あっという間に毎年過ぎていくんですが、

思い返すと、それなりに働いたなあという印象です。

が、相変わらず性格が楽観的すぎるというか怠け者なので、

そこはもうちょいチューニングをしっかりしたいです。

たぶんまだ2音ぐらい低い。


だいたい仕事納めは28日だったから、

これだってもっと早く書けたはずだしなあ。



しかし、この仕事を始めて13年ですが、

会いたいと思う人なんてほとんど思い浮かばなくて、

どっちかって言うと、基本的に人には会いたくない、

趣味の部屋に一生閉じこもっていたい人間だったのに、

今日はあの人に会えるなとか、

あのバンドのライブ楽しみだなとか、

そう思えていることと、

ロマンとドラマにつながる人生を送れているのは、

奇跡という言葉すら生ぬるいと思っています。

これは天職、一生続けられるなと改めて思います。



来年も頑張ります。

とりあえず消費税上がるのに対応しないと。




年末年始の少しの間だけ、

キャンディーズの「普通の女の子に戻ります」よろしく、

普通の男性に戻ります。

30代男性ライブハウス・レーベルオーナー

から、

30代男性無職独身

へ。



うわ、文字にすると終わってる…!







皆様、良いお年を!

T字路にいた二人 2

少し前の冬、夕方の出来事について。
私はNさんと食事に行く約束をしていた。
 
私は普段あまり外食、特に何か美味しいものを、
という理由で時間を空けてまでというのは少ない。
だが、その数日前に訪れた徳島ではうどん、
広島では広島焼きを食べ損ねてしまい、
美味しいものを食べたい欲が、
行き場を求めて彷徨い苦悩し、殴り合いや激論、
そして絶望の末に天に召されていたのだ。
 
待ち合わせ場所は某駅から徒歩1分、
T字路にある、古金貨専門店である。
約束の時間に私が着くと、すでにNさんは到着していて、
会うなり、まくしたてるように話し始めた。
 
「家を出てから、急にストーブの電源切ったか気になってしょうがないんですよー!
あー、気になる!つきっぱなしだと危ないじゃないですか!?
火事になるかもしれないし!ていうか、そういうことあるでしょ!?」
 
相変わらずスイッチがオンの時のテンションが高い。
高すぎる…。
こちらの意見を求めてるはずなのに、
こちらが喋るタイミングは、見つけさせてくれない。
 
しばらくまくし立てたNさんが少し落ち着いたタイミングで、
「とりあえず向かいましょうか」
と、私は移動を促した。
 
 
駅から見てT字路を左に向かい、踏切で通過電車を上り下りの2台分、待つ。
電車の通過中も、Nさんはボリュームをあげて話し続けた。
さすがにこの瞬間は黙るかと思ったが、どうやら私の予想は甘かったようだ。
常に最悪の事態を想定して行動しなければ。
戦場なら私は死んでいた(実際にはここは戦場ではない)。
 
踏切を渡り、またしばらく歩く。
引き続きNさんは「ストーブガーストーブガー」状態のままだ。
 
ちなみに、私ももちろん同じようなことはある。
あれ、今日ガスコンロの火を切ってきたかな?
と、何がきっかけか突然気になったりすることはある。
というか、つい最近あったばかりだ。
それまで全く気にも留めなかった日常の何かが、
妙に気になって仕方ないという現象。
何か名前をつけたいぐらいだ。
今度あったら名前をつけてやる。
 
私の場合、気になることにはしっかり向き合わないと気が済まない性分なので
その時は適当に理由をつけて自宅まで確認しに戻ったが。
 
そこまで気になるなら一度自宅に戻りますか?と言いかけた時、
ちょうどNさんの好きな手袋屋さんの前に来た。
そこからは、Nさんは打って変わって手袋の話ししかしない。
目的の料理屋に着いたが、あいにく混雑していたので、
店の前でしばらく空席を待つことになった。
私は店先のメニューを見ながら注文を考えていたが、
Nさんはまだ手袋の話をしている。
毎年冬になると、去年買った手袋が見つからないらしい。
私の身近にもう一人そういう人がいますよ、と相槌をうち、そのまま、
「そろそろ席も空きそうですし、注文を決めといてくださいね」
と伝えると、ようやくNさんはメニューを手にとった。
 
あれだけずっとストーブの電源のことを気にしていたのに、
手袋屋さんの前を通ってからは、ストーブの「ス」の字も出てこない。
手袋の話ばかりだった。
あの店通過前とあの店通過後のNさんは、別人のようだった。
 
 
そして、Nさんの「注文決まりました。」とほぼ同時に、
ドアが開き、店員さんに呼び込まれた。
 
私が先に店に入った瞬間だった。
突然、これまで感じたことのない強烈な揺れを感じ、
直後に「コップの水に氷を入れた時に鳴る」ビシッというような音、
実際にはその何倍もの大音量、が響いた。
 
とっさに振り返ると、
Nさんは割れた大地の闇に、
吸い込まれていった。